前漢王朝・宣帝(せんてい)の即位後、皇后の許平君(きょへいくん)が妊娠した。このとき世話役として高く評価されたのが、夫と離縁して間もない照(しょう)と淳于(じゅんう)夫人の衍(えん)である。温厚で思慮深い照に対し、衍は勝ち気な性格な上、夫の出世の手だてを見つけなければならなかった。そんな衍の事情を見越し、霍光(かくこう)大将軍の妻・霍(かく)夫人が衍に皇后の毒殺を持ちかけ、その引き換えに夫の出世を約束する。謀略は成功し、皇后は男の子を出産すると同時に命を落とす。しかし投薬した薬の残物から皇后の死の真相が明らかになり、やがて照の行動から、衍の犯行も発覚する。拷問により衍は自らの罪を認めたが、照の共犯も主張した。そして照も衍も逆賊として処刑されることになる―
十年後、家人子(下級女官)として五人の美女が後宮にやってくる。明るく、おしゃべりな馮媛(ふうえん)。気立ても頭もいい王政君(おうせいくん)。上昇志向が異常に強い傅瑤(ふよう)。育ちが良く、天真爛漫な李元児(りげんじ)。何事にもこだわらない性格で、後に中国四大美女の一人となる王昭君(おうしょうくん)。王政君は照の娘であり、傅瑤は衍の娘であった。はじめは仲の良い5人であったが次第に傅瑤は王政君へ敵意を燃やしはじめる。それは二人の壮絶な宮中での戦いの始まりだった―。