自然と共生するタオイストのエッセイ「老子と生きる谷の暮らし」 2014/4/07
老子が説いた道教は、実は、20世紀始めから欧米社会で"タオイズム"と呼ばれ始め浸透しつつある。そこから老子を見い出し、長野県伊那谷での田舎暮らしでその思想を体現化する日本人タオイストがいる。「伊那谷の老子」と称される詩人・随筆家の加島祥造氏だ。彼が英語の道教書を訳した書は、日本で初めて老子思想を現代語自由詩の形によって表した画期的な老子本として知られている。先日発売された新作著書は、氏が谷で暮らす日々を綴るエッセイ集。都会暮らしと西洋の合理的考え方を身につけていた氏が、自然の営みを見つめながら茶を楽しむ中、タオの「無」や「気」の概念を感じ得る様が語られる。読めば、力をぬきながらも心の充足を極めるヒントがもらえるはず。
単行本『老子と生きる谷の暮らし』(河出書房)は821円(税込)で発売中。