シルクロードを駆ける後漢の班超を描いた小説『沙場の虎穴 班超の刺客』 2014/3/06
"班超"と言えば、有名な故事「虎穴に入らずんば、虎児を得ず」の立役者である後漢の軍人。彼を主人公に、その西域平定劇をドラマティックに描いた書籍『沙場の虎穴 班超の刺客』が刊行された。舞台は現在の中国新疆ウイグル地区を中心とした砂漠地帯。成功者として名高い班超が、意外にも、著名歴史家の兄と妹に対してコンプレックスを抱き、うだつの上がらない人物だったというのが興味深い。そんな彼がシルクロードに旅立ち、わずか36人の無勢で200名の匈奴使節団を襲い勝利、次々と諸都市を攻略していく。ローマ人末裔の女刺客ほか、魅力的なキャラクターを揃え、わくわくさせられるストーリー展開で、最後まで飽きさせない歴史小説だ。
単行本『沙場の虎穴 班超の刺客』
（青松書院／著：高桐遊）は2,000円（
