「孫子」の著者・孫武の型破りな生涯を描く小説『孫子伝』刊行 2013/8/30
古今随一の兵法書と言われる「孫子」。現代社会やビジネス界での「孫子」の生かし方を説く解説本が数多く出版される中、「孫子」の著者・孫武の人間像と人生にせまった一代記『孫子伝』が登場した。舞台は呉楚の睨み合いが続く春秋末期。孫武が呉へ赴き、戦いの極意を記すが、前506年を最後に一切の檜舞台を伍子胥に明け渡す形で姿を消す。孫子=孫武説に立ち、その兵法家としての人生、意外な最期を大胆に描き出す内容だ。呉の王族で仕掛け人の季札、策士・伍子胥や范蠡とどう絡み合っていたのか。資料はほとんどなく、作家の創造力が大いに期待される。人間・孫子を描いた名作と言われる海音寺潮五郎の『孫子』に対し、気鋭の作家・塚本青史がどんな物語を紡ぎ出したのか。注目の一冊だ。
『孫子伝』(著:塚本青史/PHP出版)は、1,700円(税込)で発売中。