中華英雄4コマ列伝!! 第16回:孫武(そんぶ)
文:中国エトセトラ編集部孫武 紀元前535年~不詳
春秋時代、斉の国に生まれた軍略家。若い頃から兵法の研究に努め、国内で内乱が起こった際は家族と共に呉へと脱出。その地で「孫子兵法」をまとめ上げる。やがて呉王・闔閭に才能を認められた彼は、将軍に任じられ、敵国・楚の攻略に乗り出す。自身の編み出した兵法に基づき、一時は楚を制圧することに成功。さらに越との戦いでも手腕を発揮し、呉の勝利に貢献した。
闔閭から「兵法とはいかなるものか、見せてほしい」と頼まれた孫武は、宮廷の美女たちを集めて部隊を編成し、訓練を始めた。指示通りに動かない美女たちに「命令を正確に伝えられなかったのは私の責任だ」と告げる孫武。だが、それ以降もまじめに取り組まないさまを見て「命令が伝わっているのに実行しないのは、指揮官の責任である」と述べ、隊長に任じた寵姫を斬ってしまう。美女たちは震え上がり、以降、真剣に訓練に取り組むようになった。
イラスト/穴吹りんこ